上下の世界は似ているようで違いますね。
上の世界には鳥が飛んでいます。両方とも二本の木が生えていますが、下の世界の木の葉は、落ちてしまって枯れ木のようです。
地面も下では、でこぼこしています。霜柱のように見えます。
クルミの右上には小さな穴が開いています。くるみの殻に開いているというより、葉脈模様の葉っぱの虫食いでしょう。
ロバたちも細かく見ると、異なっている部分があります。
3頭目の子ロバは、下の世界では顔を上げて、いなないています。
自分だけは、大人しく、まわりに従いたくない、と言っているようです。
上下の世界は、昼と夜、春と冬のような光と影の対比でしょうか。
あるいは、表と裏、夢と現の世界かもしれません。
でも、どちらも対立するものではなく、人間の生活に見られる、二つの側面を表しているものと思います。
スペインのロバの話というと、フワン・ラモーン・ヒメネス の 「 プラテーロとわたし 」、がありますね。
おだやかで、ゆったりとした本であったように記憶しています。