みかさんの絵 2

隠されたロマンス

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「 隠されたロマンス 」  

    120 × 90 cm ぐらい ( フレーム全体の大きさです )

  「 海の振動 」 、 「 マグノリア ロマンス 」  と同じように大きな作品です。

    
  タイトルは、 どういう意味なのでしょうか。

 これは恐竜だと思っていましたが、角があるから犀かもしれません。

   でも犀にしては足が短すぎます。やはり恐竜でしようね。
  まあどうでもいいことです。

 
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    体の中には アンモナイト のような巻貝が描かれています。

  恐竜も アンモナイト も、大きく言えば似た時代の生き物です。

  周囲には旺盛な感じで小さな枝葉、大きな葉がエンボスしてあります。
 「 マグノリア  ロマンス 」と同じで、花びらか葉のように、色紙が右側から風に流されています。

  緑の色調が効いていますね。

恐竜の耳元には大きなアンモナイトがあります。まさに 「 私の耳は貝の殻 」 です。

 アンモナイトが昔々のロマンスを語っているのかもしれません。

 みかさんの描く、目(ひとみ)には独特の表現があります。この恐竜もそうですが、「 昼と夜の間 」のカバ、「 青い夢 」のワニ、「 マグノリア ロマンス 」のティラノサウルス、皆おもしろい形をしています。
  割合幅広で厚みのある、銀色というよりは灰色のような、少し古びてアンティクな感じのフレームに入れました。

 絵だけで見ていた時にくらべ、全く様変わりして力強くなったのには驚きました。

 これは良く経験することで、額装を適切に選ぶことによって、相乗効果で絵の魅力が引き出されるのです。

 絵が主で、額が従であると、当たり前のように考えていたことが正しいとは言えないように思えてきます。不思議ですが。

 作品にふさわしい額装は、隠されていた絵の本質をあらわにすると言ってもよいと思います。






 

 詩 節

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  「 詩  節 」

      70 × 80 cm  ぐらいの作品  ( フレーム全体の大きさです )


 これは胡桃ですね。クルミの周りには葉がエンボスしてあり、色紙も葉っぱのように舞っています。
     真ん中で半分に分かれて、上下対称の絵になっています。

 中央から下方に水面を置いて、上の景色が水に映る構図はよくありますが、それとは違います。

      胡桃の中には、二つの世界が描かれています。

    その中には3頭のロバの親子が歩いています。

  ロバのまわりには木と葉っぱ、葉脈のような模様が描かれています。

   みかさんの、どの作品を見ても、中には世界が描かれています。

 われわれは、自分たちのいる世界から別の世界をのぞきこんでいるような気持になります。

 
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     上下の世界は似ているようで違いますね。

 上の世界には鳥が飛んでいます。両方とも二本の木が生えていますが、下の世界の木の葉は、落ちてしまって枯れ木のようです。

 地面も下では、でこぼこしています。霜柱のように見えます。

 クルミの右上には小さな穴が開いています。くるみの殻に開いているというより、葉脈模様の葉っぱの虫食いでしょう。

   ロバたちも細かく見ると、異なっている部分があります。

  3頭目の子ロバは、下の世界では顔を上げて、いなないています。

 自分だけは、大人しく、まわりに従いたくない、と言っているようです。


  上下の世界は、昼と夜、春と冬のような光と影の対比でしょうか。

  あるいは、表と裏、夢と現の世界かもしれません。

 でも、どちらも対立するものではなく、人間の生活に見られる、二つの側面を表しているものと思います。


  スペインのロバの話というと、フワン・ラモーン・ヒメネス の 「 プラテーロとわたし 」、がありますね。

 おだやかで、ゆったりとした本であったように記憶しています。

 
  胡桃や舞っている葉の雰囲気は秋のイメージですね。

フレームはフレーマーの雪絵さんのおすすめで、簡単に決まりました。

 絵とよく似合う緑がかかった色調で、幅広で木の素材を感じさせるものです。マットに色をつけて、絵とのコントラストがつけられています。

 逆に、これよりも幅が狭く白っぽいシンプルなフレームでまとめることもできます。フレームを変えることによって、また別な世界が現れてくるのもおもしろいですね。


 
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    ロバの親は父親でしょうか、それとも母親でしょうか。

  ロバの雌雄はわかりませんが、自分が父親であることから推し量ると、どうも母親のように思います。

 子供を引き連れて歩くのは、やはり母親でしょう。そうでなくては子供も安心できません。

   みんな、眼を閉じているようですが、表情は穏やかです。