みかさんの絵 4

パンドラの箱



「 パンドラの箱 」

     40 × 45 cm   ぐらいの 小さな作品です ( フレーム全体の大きさ )


 フレームは筋彫りされた木の質感がおもしろいブルー。 マットも青で海の雰囲気を漂わせています。


 「 パンドラの箱 」 、のようなタイプの作品はいくつかあります。力が抜けて、自分がおもしろいと思うものを作っている感じがしますね。

  対象として用いている絵の形態としては、風車に立ち向かう ドン キホーテ と サンチョ パンサ が描かれている 、コーヒーカップをすぐに思い出します。

 ハイヒールの形を使った作品もありますが、 これにはフラメンコダンサーの絵が描かれていましたか。ちょっと確かではありません。

   このようなタイプの作品は、まだまだ沢山あります。

   子供の本の挿絵に使っても良さそうです。

 もちろん、みかさんの作品はどれも、大げさな苦悩とは無縁なものだとは思いますが、小品ではそれがより前面に出ているように思います。

 
写真

  パンドラの箱の中から飛び出すのは悪、災いではなく、魚です。中には蟹かなんかが残っていそうです。
 
  箱に描かれている、まわりの船は一昔前の大航海時代の帆船か、海賊船のようです。

 箱のふたには、三日月と星が出ている夜空があり、周りには竪琴、巻貝も模様として描かれています。


 

旅のおくりもの

写真


「 旅のおくりもの 」  

     大きさは 「 パンドラの箱 」 と同じくらいです。


 この作品も、カバンの形態を利用してできているもので、上でのべた一連の作品と似ていますが、少し趣が違います。

 私はこれを見て、第一印象で ルネ・マグリット の絵を連想しました。 
  もちろん、みかさんがそう考えて作ったというわけではなく、私がそう感じただけですけど。

 「 大家族 」  の鳥が切り取る、空の感じとは違います。

   中の建物は 「 光の帝国 」 を思わせます。

   ただ、その光景は都会ではなく、田舎の風景です。

南米の牧場のような雰囲気で、遠くに山なみが見えます。大きなトリが飛んでいます。

  中央にある、鍵がいいですね。

 みかさんは、いつも自分の中から自然に出てくるものを作品として仕上げているだけで、意識の世界からは遠く離れた位置にいると思います。 

 
写真

「 旅のおくりもの 」 のフレームは白樺のようで、ぴったりと合っています。



 

追 憶

写真  


「 追  憶 」    

      45 × 50 cm  ぐらいの作品です ( フレームの大きさ )


  これは外側の窓のようになっている部分と、奥の絵の二つを組み合わせてあります。 

 窓の扉が手前に開いて立体的な感じになっています。扉の部分は中央で切り開かれていますが、その辺の部分を上手に色を摺るのが難しかったそうです。

     窓のまわりには鳥がエンボスしてあります。

   中の絵は何種類かあります。 聖ジョージ と竜、草原、など。

  この絵は、みかさんの住んでいる グラナダ にある、 アルハンブラ ( アランブラ ) 宮殿です。

フレームは金属のような光沢と質感がある、おもしろいものです。

中世の騎士の甲冑をイメージできますね。額装も立体的な作品に合わせてあります。


 

つぶやき

写真

「 つぶやき 」  X

    43  × 51 cm ( フレームの大きさ )


 2019年に持ってきてくれた作品です。台紙はなんと 段ボールです。

 シンプルな白木の額装で、段ボール紙の絵もしゃれた感じになっています。


絵はみかさんがよく描く鳥ですが、いつもの鳥とは違いがあります。足があるのです。これがないと飛翔感が出てきません。

 鳥の形も少し異なっていますね。羽根の長さが広くなっていて、空を高く、大きく飛んでいます。

 何種類か違うバージョンがあり、どれも躍動感のあるすてきな作品です。

   同じ感じで、ベニヤ板に描いた作品もあります。



 
写真

「 つぶやき 」   Z


 段ボール紙の台紙に飛んでいる鳥、葉っぱが舞っています。

色のついている鳥の背後に、輪郭だけの鳥も飛んでいます。

 これは実体の鳥と、影の存在を表現しているのでしょう。

   飛ぶ姿が気持ち良さそうです。




 
写真  

「 つぶやき 」   Y


 これは鳥の足だけが見えています。

亀が描かれています。池から飛び立ったのでしょう。おもしろいですね。

 立つ鳥 ( 飛ぶ鳥 ) 跡を濁さず、です。




 
写真



「 つぶやき 」   W

     43  × 51 cm ( フレームの大きさ )

 
  同じシリーズです。手前には白い羽が片側だけ見えています。

 背景には輪郭だけの鳥がいますが、逆さ向きで飛んでいますね。

      曲芸飛行の宙返りのようです。