結膜炎は、だれでも一度はなったことがある病気ですね。
・ 結膜は普通、白目と呼ばれますが、眼球の外側の壁 ( 強 膜 :きょうまくと言って、これも白い壁です。) の表面に、1枚かぶさっている、薄い布のような白い半透明な膜です。
白目が白く見えるのは、実際には強膜の色を見ているわけです。
時々、白目にしわがよって、たるんでいると心配する方がいますが、それが結膜です。
・ その白目に炎症を起こすのが、結膜炎です。
炎症を起こすと、白目が赤くなって、めやにや涙が出たり、かゆくなったりする症状が出ます。
目がごろごろする感じもあります。ごみが入っているようだという方もいます。
☆ 結膜炎にはいくつかの原因があります。
1) 普通の、ばい菌が原因となる結膜炎 :( 細菌性結膜炎 )
目が赤くなって黄色いめやにが出ます。
ばい菌用の目薬( 抗菌剤 )を使えば良くなります。それほどうつりやすいものではありませんがプールには入らない方がよいでしょう。
2) アレルギー性結膜炎 : かゆいのが特徴です。
原因はいろいろですが、花粉が原因の時には花粉症と言い、アレルギー性鼻炎を一緒に起こす方もいます。
かゆくて目をこすると白目が水ぶくれのようにふくれあがることもあります。
ひどいと、白目が外へ飛び出したように見えることがあります。
( 結膜浮腫と言います )。
抗アレルギー剤の点眼薬を使います。症状が強い時には、ステロイド剤点眼薬を一緒に使いますが、これは眼科医以外からもらってはいけません。
ステロイド剤の副作用は、眼科医以外にはわかりません。
※ 春 季( しゅんき )カ タ ル :
アレルギー性の結膜、角膜の病気で、少し重症なものです。
結膜炎だけでなく、角膜のまわりにも病気が見られます。
子供で男の子に多く見られます。
これはある程度長期間、治療を継続して行う必要があります。症状が重くなると、治療に難渋することもありますが、最近は良い目薬ができたので以前より経過が良くなりました。
3) 流行性角結膜炎 ( りゅうこうせいかくけつまくえん )
俗に、はやり目と言います : アデノウイルス でなる結膜炎です。
プール熱( 咽頭結膜熱 )のように、熱が出て、のどが赤くはれる症状と一緒に結膜炎になることもあります。
この結膜炎が一番注意が必要です。 まわりに非常にうつりやすいので家族全員にうつることもあります。
このウイルスに効くくすりはありませんので、なおるまでに時間がかかります。 中には黒目( 角膜 )が濁る病気が出て、見にくくなることもあります。
目をさわった手で、まわりのものに触るとウイルスをまきちらしてしまいます。
あまり目を触らず、さわる時にはティッシュペーパーを使ってください。
手を良く流水で洗って、タオルは他の人とは別のものをつかってください。
仕事の内容によっては、出勤停止が必要ですし、原則的には、学校、幼稚園、保育園にも行けません。医師の指示に従ってください。
めぐすりは、抗菌剤を補助的に使います。黒目の病気が出てきた場合は、ステロイド剤点眼を使います。