「 3人の使者 」
65 × 85 cm ぐらい ( フレームの大きさ )
使者 ( 3 messenger というタイトル ) という言葉はあまり使われないかもしれませんが、3人と聞いてすぐにキリスト降誕 を思い浮かべました。
三人の博士、賢者。
フレームは黒で、きれいな紋様が彫られていてステキなものです。
30年2月に帰国されたときに持参された作品です。
この絵を見て、富士山と言った方がいました。下方の絵の切り取られた形が三角形で確かに山のようです。
頂点の部分は白い空で、雪をかぶったように見えています。
今回は、白黒で色のない作品が比較的多くありました。白黒ですが、モノクロームという言葉を使いたい気がします。
ページワンに作品が置いてある、松本幸治さんの写真もフィルムでとるモノクロームのものです。黒澤明の映画もそうですね。
モノクローム(単色)というと何だか黒と白の区別しかないように思いますが、そうではありません。黒も白も、その中に光のグラデーションがあり、豊かな表現がされています。
カラーの作品は一見多様な表現力があるようで、むしろ不自由なものともいえます。
モノクロームの方が見る側で受け取り方を強制されず、自由にできるように思います。
ものであふれている現代が決して自由ではなく、なにも無かった我々の子ども時代が、かならずしも不自由ではなかったように。
モノクロームの作品を見ていて、色がないことが気になることはありません。頭の中に浮かび上がるその姿にはちゃんと色彩がついています。