☆ 翼状片( よくじょうへん )は珍しい病気ではありません。
ただ、あなたの目には翼状片がありますと言われた患者さんのほとんどは、どんな字を書くのかわからないようです。
これは眼科医でなければ知らないのが当たり前です。医学の言葉はわけのわからない病名を使うことがよくあります。
この病気は悪いものではありませんので心配はいりません。
・ 黒目の内側( 鼻の方 )から白目( 結膜炎のところで説明した結膜という膜です )が伸びて黒目の表面にかかる病気です。
鏡でよくみるとわかります。
普通は白目は黒目のふちで止まっていますが、どういうわけかそこから瞳に向かって伸びていくわけです。
一般的には紫外線の影響と推測されています。
・ 小さなうちはほとんど気になりません。少し赤くなりやすかったり、眼がごろごろする、という症状が出ることもあります。
大きくなると、見た目が気になるという方もいます。
乱視が強くなり、視力に影響することもあります。
治療は手術でとるしかありません。
・ 手術をしなくてはいけないのは、翼状片の先が瞳に近づいた時です。
手術で先端をはがしても、少し濁りが残ることがあり、あまり遅くなってから手術をすると、視力の回復が十分でないことがあるからです。
小さなものでも、患者さんの症状が強かったり、見かけが気になる場合には手術をします。
手術は通院ででき、それほど手術時間はかかりません。
※ ただ一つ、問題なのは再発が多いことです。
一度手術で取った翼状片がまた同じように伸びてきて、黒目にかかってくるわけです。
・ 手術方法を工夫することで再発は減っていますが、まったくないわけではありません。
でも、もう1回手術をすることはできますので心配はありません。
☆ 翼状片に少し似ているものに、瞼裂斑( けんれつはん )があります。
加齢に伴い目立つものですが、翼状片と同じような場所に見られます。
黒目( 角膜 )を時計の文字盤に見立てていうと、3時と9時の場所の黒目のすぐ横です。
少し、黄色みがかったり、茶色っぽくなったりして、わずかに盛り上がって見えることが多いです。
黒目の横になにかあります、とおっしゃって見える患者さんがいます。
これは翼状片と違って、黒目にかかることはめったにありません。
時々充血することがありますが、基本的には治療を必要とする病気とは言えませんので、そのまま放置してよいものです。
これも紫外線の影響が疑われています。
たまに、大きく盛り上がっていて眼の違和感があったり、気になるかたは手術でとることもあります。